犬は運動能力が高くて心臓が強い動物ですが、心臓病も少なくありません。
特に高齢犬になると、心不全や不整脈、動脈硬化など人間の高齢者と同じような病気のリスクが高くなります。
ここでは、健康にいいサプリメント、老化による心臓病、心臓病にいい薬、について見ていきます。
循環器の問題に効果があるサプリメント
高齢犬になると、散歩中にすぐに座り込んだり、抱っこをねだったり、ぜいぜい息をすることが増えます。元気がないのは年のせいなのですが、元気を回復させるためにサプリメントを使うと効果が出る可能性があります。
天然素材を組み合わせて作られたサプリでは、おたね人参、牡蠣エキス、黒酢もろみ、の3成分が配合されているものがあります。
おたね人参はサポニンなどが含まれていて、これには強心効果があります。
強心薬としても使われることがあります。
生牡蠣は、鉄・亜鉛・クロムなどの天然のミネラルと、ビタミンやアミノ酸が豊富に含まれています。牡蠣エキスはその生牡蠣から成分を抽出して固形化したものを使用します。
黒酢もろみは、米と麹を発酵成熟させてつくったものです。
アミノ酸やペプタイド群(抗酸化力)が多く含まれています。
老化による心臓病で多いのは?
犬は心臓が強いですが、高齢の小型犬には「僧帽弁閉鎖不全」という症状が現れやすいです。マルチーズは10歳以上になると60%以上がこの病気を発症すると言われているくらいです。これもいわゆる心不全ですが、犬の心不全の原因には色々あります。
以前まで多かったのは「フィラリア症」で、最近では「弁膜症」が原因の子が増えています。「フィラリア症」は心臓と肺動脈にフィラリアというイヌ糸条虫が寄生する病気で、心臓や血管が傷つけられたり、肺うっ血、心肥大、などの症状が出ます。
「弁膜症」は心臓の弁がきちんと機能しなくなる病気で、これが先ほどの「僧帽弁閉鎖不全」のことです。
肺に水が溜まる肺水腫でしょっちゅう咳が出るようになったり、心肥大を起こすこともあります。
心不全治療に使われている薬
心不全の治療には、強心薬、利尿薬、血管拡張薬、などが使われます。
強心薬は心筋に作用して、心臓のポンプ能力を高める働きがあります。ジギタリス製剤がよく使われます。
利尿薬は尿の排出を促して、血液中の水分の量を減らして心臓への負担を減らします。
血管拡張薬は血管を広げて血液を流れやすい状態にして、心臓の負担を減らす効果があります。