人間の腎臓病治療の基本は食事療法と薬物療法ですが、犬の場合も食事と栄養素が基本になります。腎機能が落ちると薬の代謝がうまくいかなくなるので、薬を使うのにも気をつける必要があります。

ここでは、犬の腎臓病、食事、サプリについて見ていきます。

犬の腎臓病はシニアになったらご用心

シニア犬になったら、それまで以上に腎臓病に注意する必要があります。慢性腎不全にかかるリスクが高くなります。
犬の腎臓病は、ろ過機能が低下してしまうのが問題になります。
猫は水分の再吸収機能が落ちるという慢性腎不全の症状が多く、こちらは水分を補給してあげれば改善されやすいです。

しかし、犬はろ過機能が落ちてしまうため、猫よりも症状のコントロールが難しいと言われています。
腎機能が落ちてしまうと、体内の老廃物が出せずに体内に毒物が溜まってしまったり、体液の恒常性が維持できなくなって電解質のバランスが悪くなったり、ホルモンが作れなくなって体全体の機能が落ちてしまうことがあります。

食事で気をつけたいこと

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犬は猫以上に人間と同じものを食べるので、腎臓に負担をかけるNG食品を与えていないかチェックしましょう。

例えば、ハムやソーセージ、かつお節、レーズン、ミネラルウォーター、塩分が多いおやつ、ナッツ類、などは腎臓に負担をかけます。
体に良さそうだからといってミネラルウォーターをあげている飼い主さんもいるかもしれませんが、腎機能が落ちるとカリウムが溜まりすぎるという高カリウム血症などの症状を起こす危険性があります。ミネラルも多過ぎれば毒になるということです。

他の食品は、塩分が多いので与えないようにしましょう。
人間の腎臓病食でも、減塩は必ず必要になります。
守らないと血圧が上がってさらに腎臓に負担をかけてしまうことがあります。

治療に役立つサプリメント

治療や予防に役立つサプリメントには、腎機能をサポートする活性炭が含まれているものがあります。腎臓の機能が低下すると、老廃物が十分にろ過できなくなって老廃物が血液中に溜まってしまいます。

老廃物は血液の循環で腸に戻るので、そこで活性炭と吸着させて、便と一緒に体外に排出させます。活性炭というと「炭を食べさせるの?」と不安になるかもしれませんが、植物由来のヘルスカーボンは老廃物の除去機能に優れていて、さらに活性炭の副作用として出やすい便秘を避けることができます。
尿から出せない毒素を、代わりに便から排出させてあげるサプリメントなのです。